【よくある質問】高校クラブでビオラを始めます。入門用のビオラはどんなものが良いですか?

中学・高校でオーケストラ部・弦楽部の活動が盛り上がっています。特にビオラが人気があるようなので、これから楽器を買おうと検討されている方から寄せられる、よくある質問をザーッとまとめてみました。

【サイズがいろいろあるみたいですが?】

ビオラは400年の歴史の中でも、いまだにサイズが定まっていません。ヴァイオリンは裏板の寸法が355-356㎜と400年前からすでに決まっているというのに、ビオラはいまだに決まらなんです。この”サイズ”が初心者のビオラ選びで悩むポイントのひとつです。

初めてお求めになるのでしたら
【15.5インチ=39.5㎝】と
【16インチ=40.5㎝】の2種類からお選びください。いずれも標準サイズとされています。

楽器が大きいと低音まで豊かな音が出ます。小さい楽器は指が届きやすく、まさに小回りが利きます。どちらも魅力的ではありますが、楽器をチェックすべきポイントはほかにもあって、楽器の横板の厚みやネックの細さ、ボディデザインなどチェック項目がたくさん。

ですので、一つのサイズにしぼって選ぶより、先入観なしでいろいろ手に取ってお選びになることをお勧めします。
但し小さすぎる楽器(38.0㎝以下)大きすぎる楽器(42.0cm以上)は1本目のビオラにはお勧めいたしません。

【みなさんのご予算っておいくら?】

去年・今年あたりは20万円-50万円のセット(楽器・弓・ケース・小物】が選ばれているようです。

関西の高校でオーケストラ部が盛んになったのはここ20年くらいの事。

それまでの弦楽器業界では”バイオリンは100万円くらいしますよ!”と平然と言われていて、なかながバイオリン専門店では”買える楽器”がなくて普及しづらい環境でした。

そんなときに、とある高校クラブの顧問の先生から”吹奏楽部の子たちが買っているくらいの価格帯で弦楽器を紹介してくれないか?”とリクエストを受け、当社で世界中から候補を探しました。

結果、ビオラはヨーロッパで工房製作されたものが良いだろうということで店頭でご紹介しました。充分に乾燥した材料で製作されているのでメンテナンスの手間も少なく、何よりも”ビオラらしい音がする”ということで爆発的に普及しました。ビオラを真剣に取り組む学生が増えたのでクラブが活発になり、レベルの高い演奏ができる団体がどんどん増えています。

あとでも書きますが、高校でビオラを始めた人は大学でも続きます。大学から始める初心者の人に”これぐらいの楽器を買ったほうが良いですよ”とアドバイスしてくれたので自然とヨーロッパの工房製の楽器が主流となりました。


写真:とある高校オーケストラ部の定期演奏会

【うちの子、ビオラ続きますか?】

~続きます。
ビオラは子供のころからの経験者が少ないので、中学校・高校で入部したときのレベルはみんな一緒、初心者です。それがまずプレッシャーがなく気楽だと思います。またビオラの先輩はだいたい真面目で面倒見のよい人が多いのでクラブに通うだけで演奏技術が身に付きます。
ビオラの演奏人口は少ないので、大学に進学されればオーケストラ部に”勧誘”されます。さらに社会人でもビオラ奏者は人気です。ビオラが弾ければヒーローになれます。学生生活の中で生涯の友人と出会うチャンスも。楽器屋さんのスタッフは意外にもビオラ経験者が多いんですよ。

ですから一度ビオラを手にすると生涯、続きます。