【弓・特集】フランス現代弓の最高峰をくらべてみました

今回は人気のフランス手工弓を特集します。じつは良いものを手に入れるのは楽器以上に弓はより困難です

人間国宝級の弓がお店に揃いましたのでいろいろ比べながらご紹介いたします

奥から

ERIC GRANHAMP(France)
CHRISOPHE SCHAEFFER(France)
PIERRE GUILLAUME(Belguim)

です。

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まずはこの弓・・・

PIERRE GUILLAUME
ピエール・ギヨーム(ギオム)

21世紀もっとも成功した弓作家ではないでしょうか?

ベルギー人ですがフランス・ミルクールの弓製作学校で学び、故郷のブリュッセルに戻り弓製作と鑑定を行っています。SIMON-PECATTEスタイルのやや大ぶりのヘッドと背の高いフロッグを組み合わせ、ごく先端にカーブのピークを持ってきています

彼の弓は

“音が大きい、説得力のある音色”

と称されコンクールを目指す方には必須の弓になっています
参考価格1,000,000円(VN-S/E)

画像の弓はいわゆる典型的なGUILLAUMEモデルではなく、ミルクールのBAZIN-MORIZOT-OUCHARDラインの雰囲気を持っています

GUILLAUMEのレプリカモデルは特に人気があるんですよ

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ERIC GRANCHAMP
(エリック・グランシャン)

稀少性でいえば圧倒的に製作本数が少ない作家

持っている人も少なければ、楽器店で並ぶことも稀です。

ご覧の通り完璧な作りです。スワンヘッドといわれる、流線形のヘッドデザインは低重心で力の逃げない構造、安定した直進性能。弓製作者のほとんどはスワンヘッドをいちどは製作するのですが、個性的なルックスなのでやはり売れる作家となると限られます。
参考価格1,800,000円(G/E Swan)

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CHRISOPHE SCHAEFFER
クリストフ・シェフェール
シェイファー・シャイファーとも称す

サルトリーが遺したペルナンブコ材を継承している作家としてご存知のかたも多いと思います。ヒストリーが独り歩きしているところがありますが、じつは操作性のよさで、プロ奏者を中心にもっとも選ばれている弓作家なのです。秘密は・・・最高級のペルナンブコ材を”普通に製作する”のが彼の良いところ。奏者に寄り添うような自然な弾き味が特徴です
参考価格1,200,000円(S/E)

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では、いよいよ
並べてみますね

左Schaeffer(S/E Silver tip)
中央Granchamp(Swan G/E)
右Guillaume(Ouchard Mod.)

カーブの描き方にはじまり

フロッグの親指のあたる部分、さおとヘッドのつなぎ目のデザイン・太さの違いや仕上げ方は一目瞭然ですね

左GUILLAUME
中央GRANCHAMP
右SCHAEFFER

弓は楽器の音色を左右するだけのチカラを持っています

弓というのはとてもシンプルで、ヘッドの大きさ、フロッグの大きさ、曲げ方・曲げるポイントをどうするか?
弓作家は無数の組み合わせの中から”自分が信じる道”を貫いて製作するのです

良いものを作り続けるにはしっかりとした精神力が必要なようです!

どうでしたか?

うんちくを聞いてしまうと欲しくなってしまうのが楽器の世界(笑)

彼らは200年の弓製作の歴史をしっかり学びつつ、現代を生きる巨匠たちです

有名な弓・ブランドがしっかりした弓は過去の人が”良い”と評価したから、いま有名なんです

いい弓をお持ちになってください!