【チェロ特集】入門用チェロをくらべてみました ”初めてのチェロ”の選びかた
はじめてチェロを手にする方にとって失敗しない楽器選びをご紹介します
☆ちゃんとチェロの音がする
☆オーケストラ部で弾ける
☆専門店に持ち込めば修理・調整ができる
☆大事に使えば一生使える
など、標準的な基準でセレクトしました
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【入門用の楽器選びかた】
☆ドイツ製なら良し☆
弦楽器の発祥はイタリアとドイツ。手工製作のイタリアはあらゆる面で申し分ないのですが、なんとチェロで300万円くらいします。作者により個性もさまざまですから、イタリア製は将来の愉しみに置いておいて、”初めてのチェロ”を選ばれるのなら間違いなくドイツですね。数名の職人がうまく分業(ギルド)で製作しており、まず壊れることがありませんし、弾きこむごとに音色が馴染んできます。
また50万円未満で探されているのでしたらルーマニアの工房製作やブルガリアの旧公団メーカーの楽器も選択肢にされてはいかがでしょうか?
☆駒の高さについて☆
天然木を充分に乾燥させているチェロですが、どうしても湿度変化に影響を受けます。一般的に夏はネックが下がり弦高は高く=抑えにくくなります。また逆に冬は乾燥でネックが上がってきます。新品のチェロは購入後1年くらい様子を見ながら通年でベストな駒の高さを決めていきます。もし店頭で”これは押さえにくいかな?”と思われるなら、初心者だからと遠慮せず、楽器屋さんに相談してみましょう。
☆音色は変えられる?☆
駒は弦の振動をまずキャッチして本体に伝える重要なパーツ。ちょっとした厚みや形状(ベルギー式・フレンチ式)などでも印象が変わります。弾く人の音色の好みも変わりますから数年してから駒交換、っていうのもアリです。魂柱もそれ以上に大事です。魂柱が駒に近いか遠いか、グッとはまっているかフワッとはまっているかで音が変わります。でも楽器それぞれが持つ雰囲気っていうのはあるので、楽器選びは”雰囲気選び”=”自分との相性選び”なのかも?ですね
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では、
1本目に最適なチェロを紹介していきましょう
【LOTHER SEMMLINGER】
ローターゼムリンガー
#131(#1/#501)
参考価格380,000円
ドイツのチェロといえばコレです。ゼムリンガーはドイツのカールヘフナー社のチェロマイスターを務め独立。ギルドスタイル(分業製作)・シェーディングニス(杢目がはっきり出る下処理)などドイツらしいチェロの代名詞ではないでしょうか?やや横板が長い深胴タイプで学生オーケストラで使用しても音が紛れない粒立ちの良さから、大学オーケストラから指名買いされる人気のブランドです。
ネックボタン部にLSの焼印も印象的、たまに捺し忘れもありますがそれもご愛敬(笑)
【KARL HOFNER】
カールヘフナー
#5vc
参考価格290,000円
ドイツ最大の弦楽器メーカーがカールヘフナーです。上記のSemmlingerの出身工房であるなど、ドイツの弦楽器業界では欠かせないブランドです。アーチ(楽器の膨らみ)はとてもフラットでアッパーバウツ(上半身)がやや大きめでしっとりとした音色が特徴。明るめのイエローブラウンのニス仕上げです
【Mastri】
マストリ
#Otto
参考価格500,000円
ドイツ弦楽器発祥の地のひとつ、マルクノキルヘンでマイスター資格をもった職人があえて分業製作しているチェロ。基本はGuadanini(ガダニーニ)と普通のハードケースに収納可能なMontagniana(モンタニアーナ・画像の楽器)モデルを製作。価格的にはややお高めですが、チェロ専門のマイスターが監修していたり、雰囲気のある濃いめのアンバーカラーニスだったりで価値ある1本です、音色は一言でいえば”立派な感じ”です
【Andrei SIMON】
アンドレイシモン
#4vc
参考価格360,000円
ルーマニアの弦楽器主要生産地Reghinレギン村で、分業製作している工房です。裏板の杢目はこの価格帯でトップランク。充分に乾燥した木材を使っているせいか、木の温かさを感じるサウンドです。最近は7/8(やや小ぶり)サイズも同価格でも提供をスタートさせており、本気でチェロに挑みたい方にも手を差しのべてくれる、頼りがいのあるチェロですね
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どうでしたか?
音色についてはなるべく公平な表現をしていますが、やっぱり弾く人が確かめることが大事だと思います。
自分にぴったりあったチェロを選んでみてくださいね
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