【工房探訪】 フランスのARY FRANCEに行ってきました

こんにちは、出張(≠旅行)担当の松永歓です

すこし昔の話になりますが

フランスの弓工房、ARY FRANCE(アリー・フランス)の工房に行ってきたときのことを書いてみようと思います。

どうぞお付き合いください。

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フランクフルト空港から1時間ちょっと、フランスのトゥルーズ空港に到着!

貿易担当のジャン(Jean)に迎えにきてもらいました。

ジ:ようこそ!日本人で当社に来てくれたのは君が初めてなんですよ

歓:えっ!そうなの?日本でめちゃめちゃ有名な弓工房なのに~ なんか光栄です

ジ:私たちの考えを知っていただくには来て見てもらうのが一番です、いろいろ情報を持ち帰ってくださいね

~~車で東に80㎞くらい、カルモー(Carmaux)というところにARY FRANCEの工房はあります~~

ジ:この方が、工房のリーダーのFranckさんです

フ:工房長のフランクです、ようこそARY FRANCEへ!

歓:今日はよろしくおねがいします、

まずお尋ねしますがARY FRANCEのヒストリーを教えてください

フ:1975年にCARMAUXで創業しました。私たちはフランス政府のバックアップのもと、フランスの伝統工芸であるバイオリンの弓づくりを工房で分業することで手頃な価格で良質な弓を提供しています。創業時はリヨンのシュミット氏に全面的に技術指導いただきました。現在では世界30か国に輸出しています。

歓:いま何人くらい働いていらっしゃいますか?

フ:いまは10名くらいです、私が製作の監督を行い、ほかのスタッフはハンディキャップのあるものが中心です。作業時間はかかりますがみんな仕事にプライド持って働いてくれています。ここに来るまでにJeanが説明してくれたと思いますが、私たちには大きなミッションがあります”(下に続く)

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【どうやって弓を作りますか?】

フ:まずブラジルから輸入したペルナンブコ材を粗削りします。ペルナンブコの木屑は有害な物質を含んでいるので、粗削りの作業だけは密閉した機械を使用します
*そののち木の強度を測定します。うちの工房ではゴールド・シルバー2種類とニッケル2種類の合計5種類を製作していますので、グレードに合わせた木材選定を行っています
*ヘッドは手作業で削りを進めていきます。ARY FRANCEのブランドを守るために決められたデザインにまとめていきます。
*竿はフレンチポリッシュといわれるニスというかオイルをタンポで叩くように染めていきます。もちろんこれもフランス伝統の手法です
*先チップの取付・加工、ラッピングや革巻きなどを施し、毛を張って完成です。

【ARY FRANCEのミッション】
フランスではナポレオンの時代から、ハンディキャップのある人と健常者が共働する社会の仕組みがフランス政府のサポートにより行われています。ハンディキャップのある人にしっかり働いてもらって、お給料をお支払いすることで社会貢献をしてもらうのが基本理念です。ハンディキャップのある人は健常者の方より余計に作業時間がかかります。時間はかかるけれどプロの職人がサポートすれば立派なモノが作れます。

フランス政府は余計にかかった時間のコストを補助すれば立派なモノが作れる。とてもシンプルな考えです。


写真:クリスマスのオーナメント製作部

パリのデパートが毎年大量購入してくださるそうです。夢のあるお仕事ですね♡

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現在ARY FRANCEでは数千人のプロの職人とハンディキャップをもった方が共働しています。
おもな仕事は・・・

☆クリスマスのオーナメント製作
☆プラスティック製品の加工
☆高齢者への食事の宅配
☆おなじく高齢者クリーニングの引取・配送
☆バイオリン弓製作 など・・・


ARYのみんなと記念撮影!

お年寄り夫婦が毎日食事を作るのは大変だろうから、お弁当を作ってトラックで配達しよう!

配達するとき、きっと洗濯も大変だろうからクリーニングして翌日お弁当と一緒に配達してあげよう!

せっかく家まで行くんだったら、ときどきお部屋の掃除もお手伝いしますよ!

・・・こんな発想でどんどん事業が拡大したそうです。

社員食堂でステーキランチ!

フランスっぽく、赤身のお肉が美味

ARYでは社員の昼食の準備にくわえて、近隣のお年寄りのデリバリーが事業なので、レストランも立派な部署になっています

 

【工房見学を終えてALBIへ】

・・・ARY FRANCEの広大な敷地の、ほぼすべての施設を見学させていただきました。

夕方は世界遺産の町、アルビ(ALBI)に。

ジャンが旧市街をいろいろ案内してくれました

版画で有名なロートレックはこの町の出身

彼はハンディキャップのある人でした。

パリで商業画家として大成功をおさめます。


ロートレックの代表作、

パリのビストロ・カフェといえばこの絵ですよね。

 

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川の合流点の見える、ALBIでイチバンのホテルで

ARY FRANCEの最高経営責任者のかた、ジャンとと3名でディナー

ハンディキャップのある人と社会の関わりはどうあるべきか?

熱く語ってくださりました。

 

ARY FRANCEの使命とフランスの文化に深く知ることができた滞在となりました

ありがとうございました

記:松永