【社長の出張日記2025年6月】二度目のフランス・ミルクールへ

たま~に気がむいたら更新する、社長の出張日記

2025年6月のヨーロッパ出張ではおもにフランスを訪問しました

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【ミルクール村=フレンチバイオリンの聖地】

人生2度目のミルクールです

前回ミルクールを訪れたのはコロナ前の2019年2月だったと思うので

6年ぶりのミルクールになります

一昨日までオークションでFrench Mirecourtの名品をたくさん見ていたので、心躍る感じです

もしかして僕ってこうみえて楽器好きなんでしょうか?(笑)


パリからTGVで東に2時間(350㎞)いったところにナンシーNANCYがあります

いったんNANCYで宿をとり、翌朝のバスでMIRECOURTに向かいます

ナンシー駅まえからミルクール行きのバスが出ています

バスのチケットはSNCF鉄道と同じ券売機で購入します

ナンシーを出て50分くらい、ここからがミルクールの市街地です

信号機がなくてロータリーなのがフランスっぽい

MIRECOURTミルクール駅に到着

鉄道はすでに廃線になっていて駅舎もクローズ

ホームだったところは雑木林がさらに生い茂っています

帰りのバスを決めずにミルクールの街をぶらぶらしましょう・・・

 

バイオリン博物館が正面に・さらに奥が教会です

バイオリン博物館のまえに大きな看板があります

どの通りにどんな作家がいたのかがすぐわかる!

これを撮っておいて町を歩くのが一番効率的です

【Jerome Thibouville-LAMYティボーヴィル・ラミー】
1840年C.Buthodにより始まった工房にJerome Thibouville・Hussonが加わり1867年にJerome Thibouville-Lamyの名になりました
フランスの弦楽器歴史上最大の工房(というより工場)で1969年まで続きました
様々なモデル・様々なグレードの楽器を製作しており、管楽器を製作している時期もありました
楽器の評価には大きな幅がありますが、製作数が群を抜いて多く骨董的評価は控えめです

跡地は国立ミルクール弦楽器製作学校になっています

【COUESNON & Cie ケノン】
ケノンはJerome Thivoville-LAMYと同様に会社組織として弦楽器を製作していました(1885-1967)
マンドリン・ギターや弓・弦楽器アクセサリーまで製作するメーカー
30名の職人が工房もしくは自宅で楽器を製作していたという規模でミルクールでは”工場”ということになっています

Leon BERNARDEL/Richemont/Cherpitelの商標権を持ちラベルが貼られています

今回のオークションで3本ほどCOUESNONを落札しました

内部の削り方が工夫があったり、ユニークなメーカーです


【MORIZOT Freresモリゾー】
MORIZOT工房はLouis MORIZOTの5人の息子とのファミリービジネス
作業を分担して弓を効率よく生産することに成功した工房です
またJ.Jacque MILLANやBernard MILLANTを育成した工房として知られています(1937-1970)
前回はモリゾー工房がどこにあるのか?わからずでしたが
初めてMorizotの工房跡を訪れることができました


【Roger-Francois LOTTE】
父Francois LOTTEに学び1935年から父と共同制作するようになり1956年に父の引退で事業承継・1989年まで続いた工房です
日本にも1990年までは普通に輸入されていたので”普通に新品で買いました”と毛替えにお越しになるお客様がいらっしゃいます
綺麗なスクエアのフロッグのものや、特徴あるラウンドのエレガントなフロッグの弓もあります

 

これはなんの建物なのでしょうか?

【CHAROTTE-APPARUT-HILAIRE】
親族ではない3つの世代がこの建物を引継ぎ製作していました
George APPARUTジョルジュ・アパリューに思い入れがあるのでここ数年で数多く紹介してきました

Paul HILAIREポール・イレールは元々APPARUTの工房で働いていましたが、APPARUTの没後に未亡人とAPPARUT&HIREILE工房に名前をかえ1967年まで一人で製作していました
分数サイズの楽器も数多く日本に輸入されていたり、流通量の多さから量産品だと思っていましたが、今回作家について調べたらまさかの個人製作でびっくり!です

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どうでしたか?

帰りのバスの1列目にテナーサックスが置いてあったので

”これって運転手さんの?”

て聞いたら

”バスの折り返しの休憩時間に吹いている!”

と教えてくれました さすが自由の国!

時間があればミルクールのことをもう少し書き足しますのでお待ちください

文:松永歓