ルーマニアのSIMONの工房に行ってきました

気が向けばたまーに更新する社長の出張日記

ルーマニアに行ってきました

【Andrei SIMON】
ルーマニアの中部、首都ブカレストから400㎞北にAndrei SIMON(アンドレイ・シモン)の工房があります


今回はCLUJ-NAPOCA空港まで迎えにきてもらい、REGHIN村の工房へ

工房は約15名によって構成され効率よく分業しています
朝は7時前から作業をはじめ3時までの勤務
残業はしないようにして集中してよい楽器を作っています

 

【工房製の楽器って流れ作業なの?】
SIMONの工房では作業を分業しています

これは楽器作りに欠かせない作業である、削る・接着する・ニス塗りなど、ひとつづつの作業を職人が特化して行うほうが生産効率があがり、結果として高い品質のものを低コストで製作することができる手法です

この製法は350年前ドイツで”ギルド”という制度が発祥して以来、ドイツのおもな製作技法でしたが、2000年を過ぎてルーマニアがその地位に立とうとしています

木材は一本づつ性質が違うので対話しながらの作業

分業製作というより、各部門のスペシャリストの集団の印象を受けます




補強のブロックも木と木が密着しています

毎日袋いっぱいの木屑!

こんなところから製作者たちの楽器への心構えを知ることができます


F字孔ももちろん手作業です
楽器を作り馴れている、という点ではイタリアやドイツより製作技術はすでに上回っています

コントラバスに関してはSIMONは世界をリードしています

様々な国やディーラーからSIMONへオーダーが殺到しています


今回の訪問の目的のひとつである、チェロの選定

弊社よりチェロの特注を依頼していたものができあがってきました

贅沢にも”選定”させていただきました

中級クラスのチェロ(#6VC)のニス塗り風景

フレンチポリッシュという塗装の技法

ここからあと数回塗る必要があるそうです


スクロール部分はとても手間のかかる仕事
SIMONではもちろん自らの工房で製作するほか、ドイツなどに輸出も行っています

 

 

 

 

 

仕事が終わればレストランへ!



どうでしたか?

百聞は一見に如かずですよね!

ここまで手間をかけて製作している、工房製メーカーはヨーロッパでも数少なくなってきました

ルーマニアの楽器、といっても様々です。

品質といい、工房の規模といい、お互い無理のない関係

今後も良いおつきあいをしていきたいと思います

文:松永