社長の出張日報 ブルガリア編①プロウディフのPEYKOFさん
社長の松永歓(KAN MATSUNAGA)です
ホームページをリニューアルしましたのでこれを機会に”社長の出張日報”を書いていこうかと思います
どうぞお付き合いください
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“ブルガリア・バイオリンは良いよ!”
という評判が日本でもチラホラ聞こえてきました。
国内の弦楽器店のかたでブルガリアの楽器を輸入はしていても、直接行ったことのある人はわずかのようです。
“これは行かんとアカン!”
ということで、すでにブルガリアで取引のある方にコンタクトをとり、急遽ブルガリアに飛んでいきました。
いつものようにホテルの予約ナシです。
誰か泊めてくれるやろう~と楽観的でないとこの仕事できません。
ナイトフライトでトルコのイスタンブールに朝5:00到着。
ブルガリアで忙しくてご飯食べられなかったらどうしよ?と思い、
イスタンブール空港で朝食バイキング。
とりあえず、おなかいっぱい食べておきました。
まさか、あとで後悔することになろうとは・・・
さらに約1時間のフライトで朝8:30に首都のソフィア空港に到着。
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【ソフィアからプロウディフへ】
空港にプラメン ペイコフ(PLAMEN PEYKOV)さんが迎えに来てくれました。
一路ブルガリアで2番目に大きい都市プロウディフへ。
高速道路も整備されていて快適です
160㎞の道中にまずはヨーグルト休憩
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では、さっそくペイコフさんの工房見学させていただきます。
しかし豪邸ですね、門が大きい!
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【世界最上級のフィッティング工房】
フィッティングとはバイオリンの糸巻きの部分です。
特にペグはチューニングに欠かせないパーツ。
弦楽器職人はこのパーツは作らず、半製品に手を加えてバイオリンに取り付けます。
自動車メーカーがタイヤをタイヤメーカーに作ってもらうのと同じ。
フィッティング作りには、よく乾燥した良質な材料と卓越した製作技術が必要です。
写真:スネークウッドペグの半製品
建物のなかでは、5名の職人さんが作業しています。
ペイコフさんが親子2人だけで作っているのか?と思っていたので正直びっくりしました。
屋外には中南米やアフリカから送られてきた貴重な材木
ペルナンブコ
ローズウッド
ココボロ
パリサンダー
キングウッド
エボニー
などが並んでいます。
工作機械はどれも企業秘密なので撮影はNG。
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【PEYKOF & SONSの歴史】
そもそもPEYKOV & Sonsは イワン・ペイコフ(IVAN PEYKOF)が工作機械のメーカーとして創業しました。
最初はまったくバイオリン業界とは関係なかったそうです。
15年前に弦楽器の見本市に出展したご縁で、PEYKOVのペグがイタリア・ヴァイオリン製作の巨匠の目に留まりました。
ペグは製作精度を上げるため機械製作が欠かせません。特につまみの部分のデコレーションはいろいろな角度から刃物を当てないと削ることができないので、簡単な設備では作れません。(ハートモデルといわれるデザインが難しい)
当時、ドイツ製のものが業界の主流でしたが高価格で”あいかわらずのデザイン”だったので、PEYKOVのメイプルのピンをあしらった、洗練されたフィッティングは瞬く間に全世界に広まりました。
現在ではイタリア新作バイオリンの70%以上がPEYKOVのフィッティングが使用しています。
国際楽器社もオールド楽器に使用させていただいています。
ブルガリアの製作者の使用率はもちろん100%です。
今回ブルガリアでの道先案内をペイコフさんにお願いしたのも、彼の人脈の広さをたよっての選択でした。
建物の3階は創業者のイワン・ペイコフIVAN PEYKOVさんのご自宅です。
もうお仕事はリタイアされましたが、イワンお爺ちゃんがいたからこその御縁で、いま一緒に仕事をさせていただいています。
“カンさんに地元のヨーグルトを食べさせてあげなさい”・・・ということで
そしてヨーグルト
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イワンさんのベランダからプロウディフの市街を眺めることができます。
“ここはブルガリアのハリウッドだよ”とお爺ちゃんが説明してくれます。
僕:ハリウッドに行ったことがないのでわからないですがよい景色ですね
爺:私も行ったことはない
やっとヨーグルトを完食してふーっとなっていたところに、
PLAMENさんが、
プ:カンさん、せっかく来たんだからボクが醸造した手造りワインが地下にあるから飲んでいきなさい”
ということで
自家製の赤ワインX2杯
自家製の白ワインX2杯
合計4杯いただきました、もうおなかタプタプです。
プ:ブルガリア人はワイン大好きなんだよ、今の仕事が落ち着いたらワインメーカーを始めようと思うんだ。
プ:それではランチに行きましょう!
昼食前にすでにヨーグルトとワインで1.5リットル・・・
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ブルガリアで人気の”HAPPY”っていうレストラン
http://happy.bg/en/home.html
ナスをペーストにしたオードブル
きゅうりとトマトの角切りサラダ
ナスのフリット
チキンスープ
ビーフステーキ
山盛りポテト
レモネード・・・
など、たくさんオーダーしてくださいました。
東ヨーロッパらしい少しオリエンタルも感じるような味。
全体的に味は穏やかで、日本人にはぴたっと合うのではないでしょうか?
そして、ブルガリア料理はやっぱり乳製品が多い。
サラダにはチーズ、肉料理にはサワークリームみたいなものがかかっています。
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【美しいプロウディフの街並み】
昼食後はは娘のPlamenaさんの案内でプロウディフの旧市街を散策。
ローマ時代の遺跡が町中にボコボコ残っています。
とても雰囲気のイイ街並み。
あの温泉の映画”テルマエ・ロマエ”もブルガリアをメインで撮影されたんだそうです。
たしか、長野県の上諏訪温泉もロケ地でしたよね。
しかし彼女が女子高生って、どういう国なのでしょうか???
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夕方になり息子のイワン・ジュニア(IVAN Jr.)さんにドライバー交代しプロウディフを離れます。
彼は最近までイギリス・ノッティンガムの大学で太陽発電の勉強していました。
この先、お父さんの仕事を継ぐのでしょうか???
そして、ブルガリアバイオリンの聖地・カザンラクに向かいます・・・
その2に続きます・・・